難消化デキストリン

健康に関心のある人なら一度は効いたことがあるであろう「難消化デキストリン」。

多くのトクホ食品にも使われていて、科学的にも効果が認められている成分です。

こちらのページでは、難消化デキストリンと名前や性質が似ている成分との違いから、効果・効能など様々なことについて解説しています。

難消化性デキストリン(難消化性食物繊維)とは

難消化性デキストリン(なんしょうかせいデキストリン)とは、水溶性(水に溶ける)食物繊維のことです。

・人の消化の仕組みでは消化できない
・トウモロコシなどのオリゴ糖(デキストリン)から作られる

この2つのことがあって「難消化性デキストリン」というわけですね。

難消化性デキストリンの歴史
難消化性デキストリンは、もともとは果物に含まれていた食物繊維でした。それが、のちに整腸作用や血糖値の上昇を抑える効果・効能などがあることがわかってきて、現在のように大量生産されるようになっています。

いまではトウモロコシや小麦などのデンプンを培焼、加水分解して工業的に製造されています。

大量生産で生産コストも下がり、有用性も高いので、数多くのトクホ食品にも使われるようになってきました。

今では特定保健用食品の30%に難消化性デキストリンが使用されています。

その他、よく間違われたり、同じ意味で使われたりする呼び方としては以下のようなものがあります。

  • 難溶性デキストリン
  • 難消化デキストリン
  • 難消化性食物繊維
  • 難デキ

この4つは基本的には「難消化性デキストリン」のことを表しています。

(以下、難消化性デキストリンで統一します)

簡単にいうと…
  • 難消化性デキストリンは食物繊維
  • デキストリンは糖分

名前は似ている「難消化性デキストリン」と「デキストリン」。

同じようなもの?と勘違いしてしまう人もいるかもしれませんが、実は全く違うものです。

難消化性デキストリン・デキストリンの違い

難消化性デキストリン デキストリン
分類 食物繊維 オリゴ糖

食物繊維と糖分なので、そもそも”モノ”が違いますね。

では、なぜ「難消化性デキストリン」というのかというと、「難消化性デキストリン」が「デキストリン」から作られるからです。

デキストリンとはデンプンの1種(オリゴ糖)のことで、これを加工したものが難消化デキストリンになります。

これが人の酵素では消化できないので「難消化性」と呼ばれるわけです。

イヌリンとの違い

簡単にいうと…
  • 難消化性デキストリンは「難消化性」
  • イヌリンは「消化されない」

イヌリンは菊芋(きくいも)やゴボウなどが由来の成分です。

どちらも粉末として売られていたり、サプリとして親しまれていたりしますが、似ているようで微妙な違いがあります。

難消化性デキストリン・イヌリンの違い

難消化性デキストリン イヌリン
原料 トウモロコシ・小麦 菊芋・ゴボウ
消化 されにくい されない
トクホ 丸 バツ

イヌリンは難消化性デキストリンと同じ食物繊維ですが、難消化性デキストリンはその名の通り「消化されにくい」のに対して、イヌリンは全く消化されません。

その他にも「トクホ表示の可否」などの違いがあります。

比較表にはない違いとしては、イヌリンは体内でフラクトオリゴ糖に変化して善玉菌のエサになるという点です。この違いによって、イヌリンの方が若干整腸作用が強い、ダイエットに最適、ともいわれます。

一方、難消化性デキストリンはトクホの表示が認められているように、信頼性という点では難消化性デキストリンが優れているといえます。

水溶性食物繊維との違い

簡単にいうと…
  • 難消化性デキストリンは水溶性食物繊維の1種

難消化性デキストリンは水溶性食物繊維というくくりの中の1つです。

大麦若葉2

わかりやすいように図で解説しますね

食物繊維の水溶性食物繊維と不溶性食物繊維への分類

このように、「難消化性デキストリン」は「水溶性食物繊維」の中の1種類で、先ほどのイヌリンも図の左側の水溶性食物繊維にあたります。

不溶性食物繊維はほとんどが「セルロース」で、一般的に知られているように、植物の体を構成している成分です。

水溶性食物繊維にはいろいろな種類があって、難消化性デキストリンを始め、お腹を満たす成分として知られる「グルコマンナン」「サイリウム」なども水溶性食物繊維です。

参考:Wikipedia

レジスタントスターチとの違い

簡単にいうと…
  • 難消化性デキストリンは食物繊維
  • デキストリンは糖分

レジスタントスターチとは「難消化性でんぷん」のことで、ちょうど「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の中間の性質を持っています。

レジスタントスターチの性質・特徴

可溶性 発酵性
水溶性食物繊維 水溶性 丸
不溶性食物繊維 不溶性 三角
レジスタントスターチ 不溶性 丸
  • 不溶性食物繊維は水に溶けずに、便のかさ(体積)を大きくすることでお通じを改善します。
  • 水溶性食物繊維は発酵性があるので、大腸で発酵・分解されて善玉菌のエサになり、腸内環境を整えます。

レジスタントスターチはちょうどこの2つの性質を持っている、少し変わった食物繊維です。

基本的な効果・役割は2つの食物繊維と同じですが、レジスタントスターチはそれに加えて満腹感を持続しやすい、というメリットがあるのでダイエット中の人におすすめになります。

レジスタントスターチを多く含む食品は?
ご飯、パスタ、コーンフレーク、ジャガイモなど

「小麦由来」と「とうもろこし由来」の違い

難消化性デキストリンはとうもろこし由来のものや小麦由来のもの、ジャガイモ由来のものなどがあります。

ただし、難消化性デキストリンとしての違いはほとんどありません。つまり、なにが原料だとしても効果・効能は変わらないということです。

結局は消化されにくい水溶性の食物繊維なので、最終的には便となって排泄されます。

便になるまでの過程で脂肪や糖の吸収をおさえたりなどの効果・効能が発揮されるわけなので、原料についてはあまり気にする必要はないです。

ただし、小麦やトウモロコシにアレルギーを持っている人は注意する必要があります。

アレルギーに注意
小麦・トウモロコシなどのアレルギーを持っている人は注意が必要です。ちなみに、日本で使用されている難消化性デキストリンの多くはトウモロコシ由来です。

難消化性デキストリンの効果・効能

トクホ食品の30%に使用されている難消化性デキストリンの効果・効能ですが、許可表示はもちろん、体の中でどう働くかを細かくみていくと様々なメリットがあることがわかります。

まずは特定保健用食品で許可されている、厚生労働省が認めている効果・効能から順番にみていきます。

特定保健用食品(トクホ)の許可表示

食後の血糖値の上昇をおだやかにする

小腸で糖分が吸収されることで、血糖値が上がります。難消化性デキストリンは、この小腸での糖の吸収を抑えることで血糖値の急激な上昇を防いでいます。

難消化デキストリンの効果

明日葉2

糖分が小腸の壁から吸収されるのを防いでいます

一般的には、難消化デキストリンをとった場合ととらなかった場合では、10%~20%ほどの違いがあるとされています。

注意
たまに誤解されることもありますが、糖尿病を治療できたりするわけではありません。また、完全に予防できるわけでもありません。一番大切なのは日頃の食生活で、あくまでも補助的なものと考えましょう。

食後の中性脂肪の吸収をおだやかにする

基本的なメカニズムは糖の吸収を穏やかにしているのと同じです。

小腸の中で難消化デキストリンが壁となって中性脂肪が吸収されるのを防いでいます。

脂っこい食事がやめられない方、油分を気にせずに食事をしたい方、毎日の食事を楽しみたい方におすすめです。

痩せた口コミ!ダイエット効果

難消化デキストリンが入ったお茶をのんだり、粉末を利用してみたら痩せた!という口コミがあります。

このように「痩せた」という口コミや、友達が痩せた…など、ダイエッターを中心に関心が高まっています。

実際にトクホの表示でもあるように、難消化デキストリンは糖の吸収を抑えたり脂肪の吸収を抑えることが可能です。

それと一緒に基本的な食生活(暴飲暴食などをしない)を続けていればある程度のダイエット効果は期待できると考えられます。

Point
ダイエット目的であれば、食事と一緒のタイミングで難消化デキストリンを取り入れるのがおすすめです。

腸内改善で便秘解消に

難消化デキストリンはそもそも水溶性の食物繊維なので、便の排泄をスムーズにする機能があります。

水溶性食物繊維が足りていないと、便が固くなってしまって便秘気味になってしまいます。

難消化デキストリンを毎日5gまたは10g摂取し続けることで排便の回数・量ともに増加して、お通じが良くなったという実験結果もあります。

参考:難消化性デキストリンのヒト便通に及ぼす影響(栄養学雑誌)Vol.51 1993